1025 Trip/Malfoy Manor
いつも通り眠りについた、はずだった。
起きたら鬱蒼とした森。右も左も分からない。
明け方のようで霧が深く、周りが全く見通せないし、現実とは思えない状況に思わず笑いが出る。
これは夢だと割り切り、恐る恐る開けた方へ進むことにすると、霧の奥に重厚な門が見えた。
門の奥で人影が動いた気がしたので、必死で声をかける。
ここで気づいてもらえなかったら、私は狼に育てられる運命なのだと思うと、身体が震えた。
ゆっくりと近づいてきた人物を、私は知っている。見間違えるわけがない。ずっとずっと恋焦がれていたプラチナブロンドの彼だったのだ。
"What are you doing here !? "
(こんなところで何してるんだ!?)